彼は、おのおのその能力に応じて、ひとりには五タラント、ひとりには二タラント、もうひとりには一タラントを渡し、それから旅に出かけた。
昔、あるひとりの金持ちが多くの奴隷を抱え、大きく農業を営んでいました。そのお金持ちは、自分が死ぬ前に良いことをしなければならない、と考えるようになりました。それで奴隷たちを呼び寄せて、「今月の大晦日(おおみそか)には自由にしてあげよう。」と言いました。そしていざ大晦日の日になり、主人は奴隷たちにわらを一束ごと与えながら言いました。「縄を細く上手に撚(よ)りなさい。そして、それを一晩中やってみなさい。最後に出て行く前に、私のためにしてもらう仕事はそれだ。」
それで、奴隷たちの中の一部の者たちは、「ざっとしなけりゃ」といいながら、わらをひとつかみしては縄をかなり太くまばらに撚りました。ところが、また一部の奴隷たちは、主人の言葉に従い徹夜してわらを細かく細く撚りました。
朝になり、主人が彼らを連れて倉庫の前で扉を大きく開けました。倉庫の中には、貨幣がたくさん溢れていました。主人は奴隷たちに「貨幣を縄にすべて通しなさい」と言いました。しかし、太い縄を撚った人は、縄が貨幣の穴に入らず通すことができませんでした。しかし、細く撚った人は貨幣をいっぱい通すことができました。主人は、「通した貨幣の分だけ持っていき、幸せに暮らしなさい」と言い、彼らを奴隷から解放してあげました。最後まで忠誠を尽くした奴隷たちだけが、貨幣をいっぱい抱えて新しい人生を始めることができました。しかし、最後まで忠誠しなかった奴隷たちは大きく後悔しましたが、時はすでに遅かったのでした。 -純福音家族新聞(ソウル)